これからの暮らしをもっと豊かにしてくれるキッチンを探しに:建築デザイナーの家訪問
これからの暮らしを
もっと豊かにしてくれるキッチンを探しに
建築デザイナーの家訪問

キッチンは、ライフスタイルの変化とともに進化しています。「台所」といわれていた時代は、個室で壁付けが当たり前でした。しかし、一室空間のLDKが主流となった今、アイランドキッチンやペニシュラタイプのキッチンが主流に。また、デザインにも変化の兆しが。
従来の箱形のシステムキッチンから、LDKになじむ家具のような軽やかなデザインに注目が集まっています。そこで今回は、軽井沢建築社所長で建築デザイナーの関泰良さんの自邸を訪問。自身が設計したキッチンと、最近のトレンドについて伺いました。
軽井沢で活躍する関さんが選んだのはフレームキッチン

軽井沢建築社は、地元軽井沢で年間10棟近い別荘の設計と施工管理を手掛けている注目の設計施工会社。その所長であり建築デザイナーの関泰良さんが、長男の小学校入学のタイミングに合わせて、自宅を建てたと知り訪ねました。

「最近、設計している家では、ペニシュラかアイランドキッチンが、圧倒的に多いですね。ダイニングにいる家族とコミュニケーションをとりながら、作業したいというのが理由です」(関さん・以下同)
関さんも同じ理由から、自邸のキッチンはペニシュラタイプに。背面にはたっぷり収納できるカップボードを取り付けました。
「妻も私も調理をするので、夫婦で作業しやすいキッチンがいいと、このプランになりました」

キッチン本体は、エクレアパーツの「ekrea SHEER kitchen(エクレアシアーキッチン)」。昨年販売されたばかりのフレームキッチンです。長さは2700㎜。奥行きは960㎜と通常の対面キッチンに比べ、ゆったりとしたサイズ。立ち上げのないフルフラットのキッチンなので、まったく圧迫感がありません。

こちらはダイニング側からキッチンをみたところ。視線がキッチンの奥に設けた窓の外の景色へと抜けていきます。
マットな風合いが他の素材ともよくなじむ

キッチンというと、まず浮かぶのが箱形のボリューム感のあるフォルム。それを採用せず、フレームキッチンにした理由は何なのでしょう?
「もともとステンレスのフレームキッチンには、ある程度ニーズがありました。しかし、実際に取り入れようとすると、メタリックが強すぎて、LDKにはなじみにくい。しかし、このekrea SHEER kitchenは、マットな風合いでフローリングや周囲の家具とも、意外に合うんですよね。また、側面のパンチングメタルの透け感もいいなと思いました」

キッチンのワークトップは、石英と純度の高いクォーツ(水晶)の微粒子のみを採用し、特殊な樹脂や繊維と合成された「ハイブリッドクォーツ」。耐熱性や清掃性にすぐれた素材で、マットな風合いが魅力です。
「ハイブリッドクォーツを、背面の収納の天板にも使用しました。それによりキッチンがLDKの中で浮くことなく、〝場〟としてでき上がったと思っています」
フレームキッチンの魅力はシンプルで軽やかなこと

「ekrea SHEER kitchenの魅力は、棚板を通して、それを柱で支えているという、シンプルなフォルム。それがデザインとなっているところがいいなと思います」
とくにそれがよく分かるのがダイニング側。今は飾り棚として使われています。
「子どもが大きくなったら、真ん中の部分の棚を外して、朝ご飯を食べられるようにしてもいいかなと思っています」

今でこそ、このキッチンを選んだことに満足している関さんですが、設計当初は、不安もあったそうです。それは収納。

「シンプルなデザインは美しいけど、収納は十分とは言い難い。しかし、背面にキッチン・キットのカップボードを採用し、奥行き650㎜の収納を作ったことでうまくいきました。
ここには、大皿や、パスタ鍋などもしっかり収納できています。これが奥行き450だったら…、きつかったかも(笑)」
お皿の受け渡しも、掃除もラクなキッチン

ekrea SHEER kitchenは、シンプルで軽やかなデザインであること以外にも魅力が。それは、家事がラクになるサイズと形状です。
「まず960㎜という奥行きがとてもいいんです。料理を盛った皿を十分置ける広さ。だから、ダイニング側にいる家族との受け渡しがスムーズにできます。食後の片付けも、ここに置いてもらえば、すぐに食洗機に。また、買ってきたものを冷蔵庫に入れる前の、一時置きの場所としても便利なんですよ」

また、キッチン本体が柱(脚)で支えられ、浮いていることで家事ラク効果があったそう。
「ロボット掃除機が下を自由に行き来して、勝手に掃除してくれるんです。もしバッテリーを設置できれば、下の部分を基地にすることも可能ですね」
キッチン本体が浮いていることのメリットはほかにも。LDKの床が、途切れることなくつながって見え、実際の面積以上の広がりを感じさせてくれるそう。
LDKの中で決して浮くことのないシンプルなデサイン。日常の家事ストレスを軽減してくれるフォルム。そして、楽しそうに自邸のキッチンを語る関さんの言葉の端々に、フレームキッチンの大きな可能性を感じました。

ekrea SHEER kitchen
スチールフレームとパンチングパネルで構成されたキャビネットと、異なる素材のアースカラークォーツ天板がコラボレーションしたこれまでにないフレームキッチン。透け感のあるパンチングパネルは、収納したものや配管の目隠しとして機能しながらも、空間を圧迫せずにインテリアに馴染み、広がりのある空間を演出します。

キッチン・キット
キッチンに必要不可欠なカウンター(天板)とシンク、キャビネットがセットになったベースキットです。扉材を現場で取付けるだけで、オリジナルの造作キッチンが完成します。様々なタイプ・サイズがあることから、あらゆるキッチンプラン対応しやすいので、多くのみなさまからご評価いただき、全国200社以上の工務店様にご採用いただいております。