オーヌキ

〈シリーズ_造作で住まい手の暮らしをかなえる人々25〉
「元材木店の木の知見と寄り添い力で、住まい手の想いをカタチに」
㈱オーヌキ/Design Wood 代表 大貫博光さん 設計担当 南莉央さん

キッチン・キットでつくった家具のようなⅡ型キッチン

今回ご紹介するのは、茨城県東海村を拠点に活動し、地域でも評判の工務店、株式会社オーヌキです。

幅広い事業を展開するなか、住宅建築を手掛けるDesign Woodは、原点である材木業の知見を活かし、設計力と造作で住まい手が実現したい暮らしをカタチにした、「木の家」を提案し続けています。

家づくりのへのこだわりや想いを詳しくレポート。さらに、ekrea Partsのキッチン・キットを使い、造作したキッチンも紹介します。

木にこだわって、住まい手の暮らしに寄り添う家を建てる

オーヌキの本社。奥に見えるのは作業場

オーヌキの創業は1940年。材木業から歩みを始めた工務店です。長年培ってきた木材への深い知見を活かし、住まい手のライフスタイルに合った、心地よい「木の家」をカタチにし続けています。

「祖父が創業した材木屋から始まり、やがて建設業へと裾野を広げ、注文住宅も手がけるようになりました。2015年には、よりデザイン性を追求したブランド〝Design Wood〟を始動。現在は建築家の方々とも協働し、木の魅力を最大限に引き出した、意匠性の高い住まいをご提案しています」(大貫さん)

杉板張りの壁に囲まれた打ち合わせコーナー

オーヌキの家づくりの大きな特徴は、一人の設計担当者が最初の打ち合わせから引き渡しまで、すべての工程に立ち会うこと。

一般的には実施設計の完了後に担当が代わるケースも多いなか、住まい手に最後まで寄り添い続けてくれることは、大きな安心感へとつながります。

屋根の上に祭壇を設け、工事の無事完了を祈る上棟式の様子

「メンバーは私を含めて総勢6名。そして現場を支えるのは、長年苦楽をともにしてきたベテランの大工たち。この気心の知れたチームワークがあるからこそ、住まい手のご要望を細やかに反映したプランを、イメージ通りの住まいへと形にできています」(大貫さん)

では、さっそくオーヌキが手がけた家をご紹介しましょう。

LDKで家族が同じ時間を共有できる住まい

カウンターと一体となったダイニングテーブルが目を引くキッチン

こちらは、二人目のお子さんの誕生を機に、家づくりへと踏み出したお宅です。

「お客様が一番に望まれたのは、家族が自然とリビングに集い、同じ時間を共有できる住まいでした。『幼い子どもたちを見守りながら、それぞれが思い思いの時間を過ごせる場所にしたい』。そんな対話から、このプロジェクトは動き出しました」(南さん)

完成したのは、延床面積30坪の平屋。その約半分をLDKにあてた、開放感あふれるプランです。

キッチンに立っていてもお子さんたちに目が届くよう、ペニンシュラタイプのキッチンに。目の前には木目が美しく温かみのあるオークの無垢フローリングが広がり、子どもたちの格好の遊び場となっています。

長いカウンターはそのままダイニングテ―ブルとつながる

キッチンには、カウンターと一体になったダイニングテーブルを造作。長さはなんと4.2mあります。

「この家にある2つの子ども部屋は、2.5畳にしました。寝るだけの場所と考え、家族が過ごすLDKの面積を割きました。子どもたちは部屋にこもらず、こちらのカウンターで、子どもたちは楽しそうにお絵かきや勉強をしています」(南さん)

リビングの一角には、見晴らし台のような書斎

「ご主人からのご要望は、適度な『こもり感』がありつつも、家族の気配を感じられる書斎でした。そこで、リビングの一角に大きな収納ボックスを造作。その上部に袖壁を立ち上げた書斎スペースを作りました」(南さん)

家族がLDKで思い思いの時間を過ごせる、理想の住まいの完成です。

キッチン・キットで実現した家具のような美しいキッチン

キッチンからリビング、外の緑を見る

こちらはキッチン・キットを採用したお宅です。

「道路のむこうに緑が広がる敷地に立つ家です。お客様からは、その豊かな自然を家の中に取り込みたいという、ご要望がありました」(南さん)

そこで、LDKは人目を気にせず、景色を取り込める2階に。

林のある西側に大きな開口を設け、床には明るいカバの無垢材を使用。さらに、天井にヒノキの板を張ったリビングは、木と緑に包まれた心地よい空間になりました。

リビング側から見たキッチンの全景

キッチンには「キッチン・キット」を採用し、作業効率の良いⅡ型レイアウトとしました。

ダイニングテーブルと横並びに配したシンク側の対面部分は、リビング側にキャビネットを組み込んだ、Ⅱ型キッチン(シンク部、W1800mm×D900mm)を選択。

キッチンにリビング収納があることで、子どもたちのオモチャや小物が、すっきり片付きます。

コンロがある壁側は収納もたっぷり!

壁側にはⅡ型キッチン(コンロ部、W1800mm×D650mm)と、カップボード(W1690mm×D650mm)を横並びに設置。その長さは、なんと3490mm!

「東側から朝の光を取り込みたいというご要望を受け、キッチン背面の壁に大きな窓を設置し、吊戸棚はあえて設けませんでした。一方で、キッチン用品は見せたくないというご要望にも応えるため、キッチンとカップボードをつなげて十分な収納量を確保しています」(南さん)

扉材を統一することで家具のようなキッチン

キッチンの扉をシナ合板で統一したことで、周りの木との相性抜群!まるで家具のようなキッチンになりました。

家事がスムーズにできるよう、設備機器選びにもこだわりが

日々の清掃性や家事動線にも配慮し、シンクには見た目もシャープで手入れのしやすい「Eシンク(W760mm)」をセレクト。コンロには、本格的な調理が楽しめ、レンジフードとも連動する「プラスドゥ」を採用しています。

キッチン・キットを採用したのは、この家が初めてとのこと。採用に至った経緯を伺うと…。

「お客様のキッチンへのこだわりに応えたいと考えていた時、以前ご一緒した設計事務所さんが『ekrea Parts』のアイテムをよく使っていたのを思い出したんです。そこからオンラインショップに辿り着き、このキッチン・キットに出会いました」(南さん)

扉は大工工事による造作。オリジナルゆえに、完成するまで精度や色味が合うか不安だったと言いますが、お客様には大変喜んでいただけたそうです。

思い描いていた「木の家」のキッチンを実現

「完全造作のオーダーキッチンですと、どうしても価格帯が上がってしまいます。その点、キッチン・キットを活用して造作したことで、想像以上にコストを抑えられ、理想通りのⅡ型キッチンを実現することができました」(南さん)

オーヌキが手がける「木の家」に、大工の手仕事で仕上げられたキッチン・キットがしっとりと馴染んでいます。それは、単なる設備としてのキッチンではなく、住まい手の暮らしと、作り手のこだわりが共鳴し合う、この家だけの特別な風景となっていました。

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